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さあ2日目もいよいよ大詰め、LAKE STAGEのトリはサンボマスターだ! “モンキーマジック”のオープニングSEに乗って、サンボのメンバー3人が登場する。今日もヴォルテージが高いぞ山口。「皆さん、LAKE STAGEのトリまで、よくぞ体力を温存しておいてくれました! ロックの申し子、サンボマスターですー! 今日のステージは、ROCK IN JAPAN始まって以来の、伝説のステージにしてやりましょおおー!」と絶好調である。そして投げかけられる1曲目は“青春狂騒曲”だ。3人が繰り出す剥き出しのダンス・ロック・サウンドに、満場のオーディエンスが嬌声で応えながら跳ねる跳ねる。「LAKE、こんなもんじゃねえだろう。俺だってな、俺だってな、ユニコーン観たかったんだよぉぉ!」と演奏中にも思いが口からだだ漏れになってしまう山口であった。

裏打ちカッティングのスカ・ビートで決める“世界をかえさせておくれよ”、小気味よい山口のテクニカルなギター・プレイが鳴り響く中で歌われる“美しき人間の日々”と、心意気だけでなくアレンジ面においてもこれまで以上に高い精度でロック・ソングを捕まえてゆく今夜のサンボである。「俺と君と、君が失ってしまった一番大切な人のために歌おう。それで俺たちの夏の思い出は完璧だ。もう会えない、なんて思うなよ。またきっと会えるよ。夏の思い出の最終列車が、このひたちなかから出発しようとしております。車掌さんが、忘れ物はないですかって僕に訊きます。車掌さんが、忘れ物はないですかって僕に訊きます。僕は青い煙にまみれて、その列車に言ってやるんだ。愛し合ってるかい? 愛し合ってるかい? 愛し合ってるかぁぁい!!」と、余りに優しく美しいサンボ流のソウル・バラード“ラブソング”を、山口は歌い出すのであった。

LAKE STAGEにはもう、山口に煽られるでもなくロックンロール・コールが巻き起こっている。そんな中で“光のロック”から“そのぬくもりに用がある”とフル・スロットルで名ロック・ナンバーが畳み掛けられるのだ。更には「愛と、平和」コールからの“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”である。何度も観ている光景なのに、どうしてこんなにも心震わされるんだろう。「俺たちは今日、これだけやったんだよ。ロックンロールはなあ、できるんだよ!“できっこないを やらなくちゃ”ぁぁ!」と、完全燃焼のサンボとオーディエンスである。

「今日はすごいライブでしたね皆さん、3人の本音言いましょうか、このままやめたくないです。おい渋谷陽一、なんか一言いえ!」というアンコールでの唐突な山口の呼びかけに、ステージ袖から遠慮がちに登場したROCK IN JAPAN総合プロデューサー渋谷が一言、「最高ー!」。そんな山口による力技のサプライズを経て、LAKE STAGEは歓喜のアンコール・ナンバー“歌声よおこれ”へと突入していったのだった。(小池宏和)