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パラついていた小雨も止んだ頃、ちょっとはしゃいだ様子で、まるでバレリーナのように舞いながらステージに姿を現した安藤裕子。可愛い! ロック・イン・ジャパンには初登場ということで、集まった参加者は、初めて彼女のステージを見る人も多かったかもしれない。でも、みんな、そのキュートな佇まいと深く豊かな歌声に一瞬で心を奪われたんじゃないだろうか。MCでは「大きな声を出す練習をしました」と語り、「こんにちは!」「大好き!」とコール&レスポンスする茶目っ気も見せる彼女。でも、いざ曲になると空気は一転する。「あったかい曲をプレゼントします」と歌った“み空”では、しとやかで気品のある歌を聴かせ、続く“TEXAS”では一転してパワフルな迫力のある声を響かせる。特に圧巻だったのはドラマティックなバラード“隣人に光が差すとき”から“聖者の行進”というラストの2曲。途中には再び雨も降ってきたけれど、オーディエンスはみな何かに撃たれたかのように彼女の熱唱に聴き入っていた。彼女の初出演は、10周年を迎えたロック・イン・ジャパン・フェスにとっても、とても幸福な邂逅になったと思う。(柴那典)