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初日LAKEラスト、ハスキング・ビー夜闇に燃ゆ!!   18:45 GRASS STAGE

 18:45。すっかり日も落ち、遂にロック・イン・ジャパン・フェス初日のLAKE STAGEも残すところあと1アクト。客電で照らされたオーディエンスの歓声に迎えられて、ハスキング・ビーが登場!「ほんと、わざわざ観に来てくれてありがとうございます」。そんな謙虚すぎる程謙虚なMCも相変わらずだったが、この日の前半戦は「8月末にレコーディング終了」だというニュー・アルバムからの楽曲も交えての、激烈テンションな彼等のライヴを堪能する事ができた。

 ただ、それ以上に圧巻だったのは“ALL IS I,AS I'M ALL”を境とする後半戦の流れだった。ラウド・パンクの快感原則から一転、「アフター・パンク」の叙情とイノセンスの再生を体現したこの楽曲の持つメッセージは、確かにフィールドの空気を一変させたと思う。続く“BEAT IT”はオーディエンスとの気持ちの交感が顕著に感じられた1曲。ステージ後方で自然と円になって踊る人達の輪の中で、誰かの飼い犬がぴょんぴょん興奮して跳ねていたり……と、どこかフィールド全体が満ち足りたムードに包まれた瞬間だった。続いて「赤とんぼ」のメロディをハモニカで吹いて喝采を浴びた後、始まったのは “欠けボタンの浜”。この曲の磯部正文のヴォーカルが際立って素晴らしかった。夜闇に溶けていく透明度と深度を兼ね備えた、「歌うべき人」の運命を宿した声なのだと思う。そして本編ラストを飾った"THE SUN AND THE MOON"では、そんなハスキング・ビー独自の叙情性がエモーショナルな疾走に取って代わる、次なる「突きぬけ」の過程を見せつけられた気がした。そう、今日この日のハスキング・ビーは、たった1時間のショウの中で幾度も脱皮して見せてくれた気がするのだ。拳を上げ観客と磯部が共に歌った瞬間、会場に満ちた親密な空気がただただ素晴らしかった。(LAKE STAGE 20:00)

怒涛のバンド・グルーヴが炸裂! 切ない詩情が会場を包む
汗、汗、汗、そして涙 大勢のオーディエンスが固唾を飲んで見守る