去年の時点でも“夏の思い出”、“手紙”、“トモダチ”ととにかく必殺技の多いケツメイシだったが、今年になってさらに“涙”、そして“君にBUMP”という殺人的なシングルを連発しただけに、今回のパフォーマンスに寄せられた期待は半端ないものだったと思われる。何しろ開演前からグラス・ステージは端から端まで人でパンパンだったんだから。 そんな期待が渦巻くグラス・ステージに現れたDJ KOHNO。今年も去年と同じく17:40に演奏開始である。真夏の「太陽に照らされる」のも実に似合うバンドだが、やはりケツメイシといえば黄昏だろう。夕暮れの赤い日差しが温かく会場を包む。 1発目はお約束の“はじまりの合図”。一気に登場したMC3人の姿に場内全員が一斉に手をあげる。ピンクやグリーンのリストバンドに彩られた会場を観るだけで、早くも胸の中に熱い何かが渦巻いてくる。いや、感動するのにはまだ早いんだけど……って“夏の思い出”だぁ! 去年と流れは一緒だが、マジですげぇ! 会場全員が右から左へ手を振っているじゃないか! 壮絶!! もう、この際、早いもクソもない。号泣だぁ~! Ryoのお約束シモネタMC挟み、次に鳴り響いたのは“涙”。今年、超ロング・ヒットを記録した名バラードが観客を優しく抱擁する。 そして、そのまま“太陽”に突入! な、なんなんだよ、このセットリスト!? と突っ込む暇もなく次にきたのは“よる★かぜ”! ちょっと前まで泣きじゃくんでた会場がアッパーなビートにあわせて、一斉にジャンプしまくる。自分はPA卓に座ってセットを観てたんだけど、台を通して会場の振動が直に伝わってきて、ちょっと怖かった。3万人以上が一斉に飛び跳ねると、震度1か2ぐらいは軽く記録できるのでは? 中盤を向かえたセット。次にRyoが発したのは「この広大な大地には、花があり、鳥が飛んで、風が吹き、そして間もなく月が出るわけですよ」という言葉。“花鳥風月”だ。Ryojiのドスの効いた歌声に会場はもう完全にメロメロ。ビートは極めて単純だというのに、声のみでここまでエモーションを喚起させる彼の「ヴォーカル」としての力量には本当に脱帽である。 ラストは“君にBUMP”。冒頭に「必殺技の多いグループ」と書いたが、今日のセットリストは殺人技のみ。大量のディスコ・ダンサーがステージを飾り、これ以上の幸福はないといわんばかり観客も精一杯にダンス、シェイク、ブギー! まさに大団円に相応しいそんな興奮の中、最後にケツメイシは静かにステージを去っていた。 それにしても今年のケツメイシは輝いていた。途中で酒を飲みすぎてボロボロだった去年のステージ(途中歌詞を忘れる場面などもあった)の教訓を受けて、さらに酒をガンガンに飲んだというMCがあったが、もしそうだとしても、歌といえ、ラップといえ、すべての面において半端ないキレがあった。グループとしての脂も格段とのりまくっている。これからも、新たな必殺技をドロップしてくれるだろうケツメイシ。また来年もこの場所で、お願いしまっす!(内田亮) 1. はじまりの合図 2. 夏の思い出 3. 涙 4. 太陽 5. よる★かぜ(FPM Ver) 6. 花鳥風月 7. トモダチ 8. 君にBUMP |
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ケツメイシ のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ