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「俺ら、今日は全部新曲やります。いま僕たちがやっていることを見せたいからさ。フェスって、空気を楽しむものでもあるでしょ? みんなのこと信用してるから」という挨拶で、アナログフィッシュのステージは始まった。スピード感溢れるパンクなロックを生み出すベースの佐々木と、シニカルなメッセージをゆったりとしたメロディにのせるギターの下岡。どちらが曲を作るかによって楽曲のノリがガラリと変わるのがアナログフィッシュの魅力のひとつだが、そのギャップももちろん新曲群に見え隠れする。佐々木・下岡、下岡・佐々木、とスイッチしていくツインボーカルも鮮やかで、「これがラスト!」という“Sayonara 90’s”まで、オーディエンスは沸騰しっぱなしだった。1曲も楽曲を知らなくても……いや、知らないからこそ楽しめるライヴ。それをフェスで示したアナログフィッシュは本当にタフなバンドだ。そして、最後の最後に「まだ時間あるっていうから、“Hello”やっていい?」と、出血大サービス。ファンなら誰もが知っている名曲を高らかに歌い上げて、ステージを去っていったのでした。(上田智子)