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沖縄民謡をバックに登場したHY。アーティストとして、ソングライターとして、確実に成長した彼らの“今”が余すことなく収められている最新作『HeartY』のオープニング・トラック、“散歩に歩こう”で始める。黒人コーラスがツアー・メンバーに加わっていることもあり、機軸にあるR&Bグルーヴがさらに色濃く出たこの曲は、まさにその“成長”をわかりやすく体現した渾身の1発だ。もはや、“みんなで大合唱”を超えた、バンドがワン・アンド・オンリーのグルーヴを手にしたことを、そのパフォーマンスだけで強く印象付けられる。そこからはラップあり、ファンクあり、コール・アンド・レスポンスあり、民謡あり、ストリングス・アサンブルあり、そしてもちろん“大合唱”あり、と新作のトラックを中心に、変幻自在にありとあらゆる表情を見せるヴァラエティ豊かなセットを披露。特に途中でメンバー紹介を挟んだ、ファンキーな“0453”の手応えはバッチリ。それまでわりと横ノリにゆったりと手を振っていたオーディエンスも、ここではガンガン立てノリに踊りまくり。楽しい。そして、最後はライヴの定番“フェイバリットソング”で、この日最大の大合唱&手振りを呼んだHY。誰もが楽しめる空間を提供しつつ、アーティストとしての底力を見せた力強いステージは、バンドの明るい未来を示唆するものだった。(内田亮)