

「楽しみにしてたけど、想像以上に暑いんだわ。でも想像以上に楽しい!! 嫌なことも沢山あるけど負けたくねぇんだ。だから今日は楽しいこと増やしていこう!」というMCの後は、ポジティブなメロディと歌詞が胸をキュンとくすぐる"Present changes past"。「なんでこんなに楽しいんだ。それは、アンタがいるからだぜー!」というシャウトに、思わずホロリとさせられた。それにしても、熱いグルーヴとMCが次々と繰り広げられているにもかかわらず、そのステージはどこか涼しげ。それは、先述したtommyの真っ直ぐすぎるシャウトが爽やかに胸に響くだけでなく、テクニカルなプレイで構築される緻密なバンド・アンサンブルが、とにかく洗練されて美しく耳に届くからだろう。ラテン、スカ、ファンクなどのさまざまな要素を呑み込み、ともすれば暑苦しくなりがちなサウンドを、細かな粒子でつくられた光のシャワーのように降り注がせる彼らの手腕は、RIJ初登場とは思えないほど見事だ。
ラテンフレーバーたっぷりの"Circle"でフロアをたっぷりの笑顔で満たした後は、ラスト曲"Let me drive"へ。「跳べー!」というシャウトに、観客は精一杯のジャンプとハンドクラップで応える。そう、別れを惜しむ暇があるなら楽しみ尽くせ。この楽しい時間を少しでもアンタと共有したいんだ。そんなメンバーの意志が乗り移ったかのように揺れに揺れるWING TENTは、最後までハッピーなムードが満ちていた。(齋藤美穂)

NUBO のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ