「KREVA」とでっかくロゴが貼り付けられたDJ卓の上で、熊井吾郎がテクニカルかつ煽動的なパーカッションをMPCで叩き出す。サポートMCの千晴が「When I say DOCTOR, You say K!! DOCTOR?」「K!!!」「DOCTOR?」「K!!!」とお決まりのコール&レスポンスを巻き起こし、そしてKREVAをステージに迎え入れた。KREVA、上下が柄モノの真っ青なスーツ! いや、もうどんなステージ衣装を身に纏おうが驚きはしないが。
オープニング・ナンバーはなんと、いきなりの“国民的行事”だ。これ以上はないだろうという反則レベルの耳なじんだメロディで、GRASS STAGEに集うすべての人々を巻き込んでゆく。急ピッチに畳み掛けられる“ストロングスタイル”“成功”というヒット・ナンバーの数々だが、なんだこのトラックのアレンジ! すげえ。新しいサウンドやメロディが加味されて、まさにこの規模のステージで鳴り響くべき迫力のナンバーになっている。サポートで千晴のパーカッションと、キーボードを弾くSONOMIの存在意義が、目一杯発揮されているのだ。
「まずは今日のこのステージに俺を見に来てくれた俺のファンに感謝します! そして、今日の数あるステージの中から俺を選んでくれた皆さん、はじめましてKREVAです! 俺のファンになるのは至ってカンタン。知ってるフリしてください! 俺とここにいるメンバーとみんなで、今日のステージを最高のステージにしよう」。
高度なフロウの先で新次元のR&Bを完成させてしまったような現在のKREVA。そんな新境地がまたも落とし込まれた“かも”から、“アグレッシ部”、キーボードを弾き語りするSONOMIとのデュエット“ひとりじゃないのよ”そして“音色”“スタート”と、メロディアスな、ただしKREVA節以外の何物でもないラップ・ソングの名曲群は、今改めて考えてもやはり凄い。だって、もうクラシックじゃないか。みんな聴き入ってるだろう、ほら。「9月15日にはミニ・アルバム『OASYS』が出る。飛んだり跳ねたりして忘れるんじゃねえぞ」ときっちりリリース情報を確認した後も、一面のスウェイが広がる“イッサイガッサイ”からアゲまくりの“Have a nice day!”へと、まさにベスト・オブ・ベストなステージだ。
そしてダメ押しはやはりこれ! ROCK IN JAPAN名物と言っていいのではないか、今年もこのゲスト! MCUとLITTLEが袖から飛び出して“マルシェ”投下だ! 微塵もブレないマイク・リレー。微塵も薄らぐことのない存在感。歓喜のGRASS STAGEは、跳ねまくるオーディエンスでもの凄い砂埃。やってくれた。やっちゃったよ。
ほんとにスキの無い、鉄壁のステージだった。最後はこれまた『OASYS』の収録曲を更に一曲チラ見せし、曲のフェード・アウトと共に去ったKREVAであった。なんだよ、続きが気になるじゃんかよ!(小池宏和)
KICK THE CAN CREW のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ
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