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マイク1本、身ひとつ。基本はたったそれだけのはずなのに、この男がステージに現れたときの、この安心感、期待感はどうだろう。5年ぶっ続けでソロとして ROCK IN JAPANのステージに立ち、毎回のようにサラリと数万人を歌わせ、叫ばせ、踊らせて勝利するヒップホップアーティスト。それがKREVAである。“あかさたなはなやらわをん”“THE SHOW”“ファンキーグラマラス”など、しょっぱなから当然のように鉄板のヒットナンバーを連発すると、ぎっしりと詰まったフィールドの後ろまで、突き上げられた拳が広がっていく。さらにメロウな名曲“音色”“ひとりじゃないのよ”を経て、“Have a nice day!”と夏休みのアンセム“イッサイガッサイ”で心地いいハンドウェーブの波がフィールドを飲み込んでいく。いやーマジで気持ちいいわ、これ。と思っていたらここでKREVAから衝撃の言葉が。「超スペシャルな企画を用意してきました! 今日、ここに、世界で俺だけしか呼べないゲストを呼んできたぜ、教えようか? KICK THE CAN CREW!!」。袖から駆け込むLITTLE、MCU、そして流れてきたイントロはあの“イツナロウバ”! 思わぬ超ビッグなサプライズ、そして数年のブランクを感じさせない3人のマイクリレーに感極まる観客に、続けてキックされたナンバーは“アンバランス”! そしてふたりがステージから去った余韻の中で、鳴らされたラストの1曲は“スタート”だった。「ここの終わりが、次のスタートだぜ」というKREVAの言葉に含まれたいくつもの意味を感じさせるような、歴史的な瞬間を目撃したステージだった!(松村耕太朗)