メニュー


「楽しんでますか? 行きますか~!」という鈴木圭介(Vo)の煽りを合図に“ロックンロール・スターダスト”がスタート。骨太なグルーヴが迸る中、左腕をタンバリンで連打しながら歌う鈴木圭介は、顔も腕も真っ赤になってるのが遠目にも分かる。彼の全力投球の姿とミスター小西(Dr)の切れの良いビートに誘われて、みるみる内に腕を振り上げ、歌い踊るお客さんの輪がフィールドを巻き込んでいった。その後も“脳内百景”“恋をしましょう”という必殺ナンバーが続き、「フラワーカンパニーズってカッコいいじゃん!」というムードが、初めて彼らを観たらしいお客さんの間でも広がってゆく。しかし、そんな空気をとぼけたMCで覆すのもフラワーカンパニーズの刺激的なところなのだ。
 「LAKE STAGEは初めてなんですけど、ここはステージの下の方から風が吹くようになってるんですね。マライア・キャリーみたい」とグレートマエカワ(B)が語り、それに対して鈴木圭介が「俺らスターじゃないんで風は止めて頂いて大丈夫です。ヘアスタイルが乱れるので」と返す。そんな2人のやり取りを見て、和やかな笑いがお客さんの間で起こる。そして、再び曲が始まると、やっぱり素晴らしい演奏を聴かせるのだからフラカンはますます奥が深い。MCの漫才ムードからまたガラリと一転。続いて披露された“元少年の歌”“深夜高速”は竹安堅一(G)のブルージーなギター・ソロも交えながら、息を呑む外ない圧倒的なエモーションを広げていった。
 終盤の2曲は痛快なお祭り騒ぎとなった。“馬鹿の最高”は、鈴木圭介がステージの隅々までをハンドマイクで巡りながら歌い、でんぐり返しまでしてみせてお客さんを盛り上げまくっていた。そして、ラストは“真冬の盆踊り”。《ヨサホイノホイ》というフレーズをお客さんと共に歌い続け、辺りは陽気な高揚感で包まれていった。腕を掲げ、チューリップのように手をひらひらさせて歌うお客さんの姿が本当に楽しそうであった。そんなところにスペシャル・ゲストとして10-FEETのTAKUMAがステージに登場! TAKUMAも《ヨサホイノホイ》とお客さんを煽り、素晴らしいクライマックスが実現されていった。笑い、涙、大合唱、ダンスに満ちた今回のこのステージによって、フラカンはまた新しいファンを一気に獲得したに違いない。(田中大)