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この時間帯のLAKE STAGEで椿屋を見ることって、何度かあった気がする。しかし、今年の椿屋は、安高(G)の脱退があったり、シングル“いばらのみち”が昼ドラの主題歌になったりといった、幾つかの節目を経てここに立つ。それだけに、ワクワクとドキドキが入り混じったような感慨を覚えずにはいられない。
まずは、中田(Vo・G)がコブシを掲げながら登場し、小寺(Dr)が力強くドラムを打ち鳴らすと、はじまったのは、その“いばらのみち”。ハンドマイクで、艶やかに軽やかに歌いあげる中田。前方では手をかかげる人、後方では心地よさそうに踊る人。いきなりのキラーチューンは、あっという間にフィールドを酔わせてしまったようだ。続いて、サポート・キーボーディストYANCYが登場し、“恋わずらい”へ。「エブリバディ、クラップユアハンズ!」という中田の呼びかけで、たくさんのハンドクラップが起こる。「ようこそ、ジャパン! 日本歌謡界の宝、椿屋四重奏です」という中田の粋な挨拶を挟んではじまったのは、“LOOK AROUND”。ギターを手にした中田は、サポートギタリストの手島大輔と絶妙なアンサンブルを聴かせる。続いては小気味いいビートの“ミス・アンダースタンド”。演奏を終えると、ギターを置いた中田が、「ちょっと引っ込み思案な僕たちなんですけど、コール&レスポンスやっていいですか?」と、永田(B)もハンドクラップを煽る中、♪ナーナナナーナ、とコール&レスポンスを行っていく。その流れで、“熱病”へ。中田の紫色のTシャツは、既に汗で色が変わっている。それでもブレることなく、自分たちのスタイルを提示し続けていた。次は空気を変えて、ふわりと涼風を届けるような “小春日和”。サビでは手という手が波のように動く。それから、再び熱いモードに戻った“群青”では、中田と手島が楽しそうに向き合いながらプレイする。最後は、熱さを頂点に持っていくには打ってつけの“舌足らず”でフィニッシュ。熱さの中に心地よさを湛えた、今の椿屋のモードが伝わってくるライヴだった。(高橋美穂)