楽曲から「ノスタルジー」を感じる6人組バンド・JIJIM。そのライブには「楽しいのに泣けてくる」という不思議なパワーがあった

楽曲から「ノスタルジー」を感じる6人組バンド・JIJIM。そのライブには「楽しいのに泣けてくる」という不思議なパワーがあった
上質なアコースティックサウンド。憂鬱を吹き飛ばすポップなアレンジ。フォーキーな歌と心の機微を撫でるような繊細な歌詞──そんな時代に流されない音楽性を持つ6人組バンド・JIJIM。一聴して虜になり、彼らの歌から猛烈に感じる「ノスタルジー」の魅力を記事で紹介させてもらったのだけれど、その「ノスタルジー」はライブでより濃度高く充満していた。

【特集】新星バンド・JIJIMがセクステット(=6人組)で紡ぐアコースティックでハイクオリティな音世界──その楽曲から強烈に感じる「ノスタルジー」の魅力とは?[PR]
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【特集】新星バンド・JIJIMがセクステット(=6人組)で紡ぐアコースティックでハイクオリティな音世界──その楽曲から強烈に感じる「ノスタルジー」の魅力とは? - photo by MICHITO GOTO

観客を楽しませたい!という矢印がステージからぎゅんと伸びているのが見えるほど全身全霊なシンジュ(Vo)のパフォーマンス。6人が紡ぐ音だけで曲の情緒を表現するアンサンブル。とにかく「今」にフォーカスして全力を注ぎながら、とらえどころのない愛や年を重ねるにつれて失ってしまったピュアネスという「彼方にあるもの」を歌う、そのコントラストによってJIJIMが醸し出す「ノスタルジー」がより際立っていた。

涙が出るのは悲しいときだけじゃなくて、嬉しくて楽しくて心がいっぱいになって泣く、という時もあると思う。JIJIMのライブはまさにそんな感覚で、音に混ざって笑い合いながら観終わる頃にはどこかセンチメンタルな気持ちになっている、そんな不思議なパワーがあった。(畑雄介)
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