マシュー・マコノヒー×イギー・ポップのサバイバル力に学べ。映画『GOLD/金塊の行方』

イギー・ポップがデンジャー・マウスとコラボした主題歌“GOLD”が、ゴールデングローブ賞主題歌賞にノミネート&『ダラス・バイヤーズクラブ』で激痩せしたマコノヒーが今度はメタボ腹&ハゲ頭に挑戦、という話題の映画『GOLD/金塊の行方』。6月に日本公開となった本作をようやく観たが、やはり最高の相性だった。

というのも――
マシュー・マコノヒーといえば、『リンカーン弁護士』から『ペーパーボーイ 真夏の引力』や『MUD -マッド-』、『ダラス~』、『インターステラー』、ガス・ヴァン・サント監督の『追憶の森』に至るまで、時空を超えあらゆる形で「サバイバル」の凄まじさを見せつけてきた男。
特に、『MUD -マッド-』を筆頭に密林や樹海にいる姿がすごく似合う。

そしてもちろん、イギー・ポップも。
“ラスト・フォー・ライフ”を筆頭に、ジョシュ・オムと組んだ『ポスト・ポップ・ディプレッション』では、老兵は引退したあとどう生きるのか?というようなテーマもあり、映画と共鳴する部分も多い。

デンジャー・マウスとイギーは実は2004年、デンジャー・マウスがビートルズとジェイZのマッシュアップアルバム『ザ・グレイ・アルバム』で注目され、イギーがストゥージズを復活した頃に出会ったそうで、10年以上越しのコラボとなった。

囁くような低音ヴォーカルは、イギーが敬愛し、「友人でもあった」と語るレナード・コーエンへのオマージュとも感じさせる。
監督スティーヴン・ギャガンは、何かが悪い方に向かっていく予感を表現したイギーの危機迫るパフォーマンスに感銘を受けたそう。コーラスの《盗人たちに敬礼》というフレーズが好きなのだ、とも。

映画では、作品の舞台が80年代だけあって、ジョイ・デヴィジョンやニュー・オーダー、オレンジ・ジュース、ピクシーズなどもかかっていて、ロック・ファンにはツボだらけ。(井上貴子)

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