「ものすごく重いよ。これぞヘヴィ・メタルだ。ヘヴィ・メタルだから重み(ヘヴィ)を感じなければいけない(笑)。
これはジューダス・プリーストが大好きな人たち全員のための、スペシャルな瞬間だ」
ヘヴィ・メタルの隆盛は、80年代初頭に炸裂したニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの勃興が導火線になった。その後、MTVの誕生によって、グレイ・ゾーンが開拓され、アメリカ市場を中心に空前のブームが巻き起こった。
このムーブメントの特徴は、新旧の勢力がタッグを組んだことにある。ベテランは新しい勢力の革新的アプローチを受け入れ、新人はベテランの底力のある興行の遂行力を学習していった。このように、一方の勢力を排除することなく、新旧が屈強な絆を形成することで、ヘヴィ・メタルの巨大化したムーブメントは、世代を超えた広い支持を受け、今日に至っている。一つの音楽ジャンルが、揺るぎない核を中心にして、拡散と保守のイデオロギーを回転させながら、しぶとく生き続けていることは、本当に珍しいことである。
ヘヴィ・メタル界広しといえども、『メタル・ゴッド』と呼ばれるメンバーが在籍しているのは、このジューダス・プリーストをおいて他にはいない。ブラック・サバスと対を成す、イギリスはバーミンガム出身のベテラン・バンドである。今年、結成50周年を迎えるにあたり、何と42枚組ボックス・セットという、驚異的な作品をリリースすることになった。ならば、『神』に訊くしかない。圧倒的な存在感を放つボーカリスト、ロブ・ハルフォードと会見した。(伊藤政則)
ジューダス・プリーストの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。