CUTを読むと映画がもっと面白くなる

CUTを読むと映画がもっと面白くなる

本日発売のCUTに掲載している編集後記です。
特集以外にも坂本龍一、大泉洋、松山ケンイチ、水樹奈々などのロングインタビューがどれも深く面白い内容になっております。
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 今回の『奇跡のメイキング写真がとらえた映画の真実30』は、記事冒頭の文章でも書かせてもらったのだが、私たちがこのCUTを作る上で最も大切にしていることを読者のみなさんに濃く純粋な形で伝えたいと思って作った特集である。それは「CUTを読めば映画がもっと面白くなる」ということである。
CUTは、ご存知のように映画以外のジャンルも含めて国内外のエンターテインメントやカルチャー全般を取り上げている。でも映画というものにどのように迫り、どのような特集記事を作っていくかは、間違いなくCUTという雑誌の心臓部である。監督や俳優やスタッフ、映画を作る人々の物語を他のどのメディアよりも生々しい熱量で伝える雑誌を作り続けたいと私たち編集部は思っているからである。映画の創作現場にある危うくも尊いエネルギ――どの記事を作るときも私たちはそれをひとつの絶対的な価値観として忘れないようにしている。
 今回、紹介した30枚の名作メイキング写真が伝える物語はまさにその究極、スープの最も濃く純粋な部分である。『エイリアン』の生みの親ギーガーはやはり変わった人だったんだ、『地獄の黙示録』の現場はまさに戦争だったんだ、ハリソン・フォードは難しい人だったんだ、スピルバーグはやはり子供たちに優しかったんだ、でもキューブリックはもっと優しかったのかもしれない、この傑作は険悪な現場から生まれ、この傑作は意外にも和やかな現場から生まれたんだ――。そこには芸術にかける熱い思いと興業という現実との熾烈な戦いがどこまでも人間臭くせめぎ合っている。
 今回、神山健治さん、伊坂幸太郎さん、谷島正之さんの3人に特典メイキングDVDの傑作選にご協力いただいたけれど、そんな映画への思いを共にしてくださる方々と共に、私たちは「映画がもっと面白くなる」雑誌を作り続けていきたい。次号から『るろうに剣心』『プラチナデータ』の大友啓史監督とも、まさに映画の面白さを徹底的に掘り下げる熱っちい連載をスタートさせる!(古河)
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