ミュージシャンと自転車


自転車ブームである。
という特集や報道を、最近、テレビとか雑誌でよく見る。
私は、もう8年くらい自転車通勤をしていて、そんな、
昨日今日の流行りにつられてると思われたらイヤだなあ、
と思う反面、俺みたいな奴が乗っているということが、
つまり、流行っているということなんだ、とも思う。

ミュージシャンと自転車。
といえば、いうまでもなく忌野清志郎ですね。
今年のフジロックの時、苗場へ自転車で向かう映像が
使われていましたが、私は、日比谷野音のステージに、
自転車で登場した清志郎の姿を観たことがあります。
あれ、何のイベントだったっけ。
家から自転車で来て、そのままステージに上がった、
みたいな説明を、司会の人(誰だったか忘れた)が、
していた記憶あり。

そういえば、何年か前に、斉藤和義にインタビューした時に、
「清志郎さんに『一緒に自転車で鹿児島まで行かない?』って
誘われて、悩んでるんですよねえ。
そんなの、絶対楽しいに決まってるから、行きたいんだけど、
体力に自信がねえ……」と言っていたのを思い出した。

その清志郎の勧誘だったのか、他のきっかけだったのか知らないが、
トータス松本も、一時、乗っていた。
取材かなんかの時、渋谷のロッキング・オンまで、
自転車でやって来たことがある。
ちゃんとサイクルスーツ、あの上下のピタッとしたやつを着ていた。
それが昂じて、ロック・イン・ジャパンのグラス・ステージにも、
サイクルスーツで登場し、楽屋エリアで奥田民生に
「おまえはなんちゅう格好でステージに立つんだ!」と、とがめられていた。

何年か前、渋谷駅前の横断歩道んとこで、自転車で
信号待ちをしていたら、後ろからスーッとロードバイクが走ってきて、
横にピッと停まった。
えらい高級そうでかっこいいモデル。
ちゃんとヘルメットをかぶり、サイクルグラスをかけた男が乗っている。

と、いきなりかわいい声で、「あ、兵庫さん!」と言われた。
チャーべくんでした。
信号が変わると、彼は「じゃあまた!」と
言ってペダルをこぎはじめ、あっという間に見えなくなった。


……こういうことを書く時って、「読んだ人がチャーベくんの
ことを知らないとわけわからないなあ」とは思うんだけど、
カッコで(松田岳二)って入れると文のリズムが崩れるし、
彼が何者かちゃんと説明しようとすると、そもそもの
このネタの趣旨から脱線する。
難しい。

掘江博久とニール&イライザやってて、MASTER LOWとか
BACK DROP BOMBなどなどのサポート・メンバーで、
パーカッション叩いてて、DJでもあって、
キュビズモ・グラフィコってソロ・ユニットやってて、
そのバンド版のキュビズモ・グラフィコ・ファイヴも
やってて、映画音楽の制作とかも手がけてて、
「ウォーターボーイズ」で「日本アカデミー賞映画音楽賞」を
授賞したこともあって……
長いよ!!

ということでした。
何が「ということ」なのか、さっぱりわからないのでした。