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    Orangestarが描く「夏」と「夜明け」は、いつだって僕らの希望となる──『Postscript』=追伸と題されたEPを聴く

    Orangestarが描く「夏」と「夜明け」は、いつだって僕らの希望となる──『Postscript』=追伸と題されたEPを聴く
    ”アスノヨゾラ哨戒班”や“DAYBREAK FRONTLINE”、“Surges”といった楽曲で歌われる希望を託す存在としての「夜明け」、そして“雨き声残響”や“イヤホンと蝉時雨”、“夏色アンサー”をはじめ活動初期から一貫してOrangestarの楽曲の大半は夏を背負っている。

    2023年8月には約6年半ぶりとなるボカロ3rdアルバム『And So Henceforth,』をリリースし、今年の6月から7月にかけては東名阪を巡るツアー(全公演SOLD OUT)を開催。7月には新たにEP『Postscript』がリリースされた。


    表題曲“Postscript (feat. 初音ミク)”にもまた、《白紙の夏》《夜明けは既に 越え。》といった言葉が飛び出す。
    《燃えるほど》の《熱》にうなされ、《夢のように》過ぎていく時間を《白紙の夏》と表現するほどのみずみずしい感性が、BPM180前後でリフレインするサウンドが織りなす夏の情景に溶け込んでいく。

    Orangestarの楽曲を一連で聴いていると、つなぎ目がわからなくなってしまうような錯覚に陥る……ひと夏の冒険を描いたジュブナイル小説の世界に迷い込んでしまったかのように、楽曲を通して人生の儚さや命の尊さに最短距離で触れながら、その音が現実世界の焦燥や喧騒を掻き消していくのだ。

    既発の“Aloud”、“白南風”、“ノクティルーカ”では、Orangestar自ら歌声を披露しているほか夏背や遼遼といったおなじみの面子が歌唱したバージョンを収録。
    追伸=『Postscript』と題された、アルバム『And So Henceforth,』から連なる今作を夏の終わりに聴くと、暑さすら忘れてますます夏にとらわれてしまいそうになる。(橋本創)


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