bokula.のライブにNGなんてない。それは激しい2ビートも多幸感に満ちたポップナンバーもシームレスに披露していくバンドが身をもって示しているし、フロアでの楽しみ方だって人それぞれ。それでいて全員が楽しめる空間を作るために、メンバーが気を配っているのはもちろん、フロアからも自分たちこそがライブを作っているんだと言わんばかりの熱量や思いやりが手に取るように伝わってくる。
「自分たちのことを好きでいてくれる人にしか興味ない」とえい(G・Vo)はステージ上で口にしていた。
Zepp Shinjukuはライブハウスと言えど1000人越えのキャパだから、映像を仕込んだり特別な演出が入るケースも少なくない。だけど彼らはZeppの大舞台でも、不必要に着飾ることなく生身でフロアとぶつかって、どんなバンドよりもこの会場を「ライブハウス」にしていた。それこそが、目の前の観客に対する最大の愛情表現になっていると思った。(有本早季)
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