違法ダウンロード論争の行方は?/今週末のロンドン


★9/17付けの本ブログでもお伝えした、

あの「議論」で今週末のUKはもちきり(陸の孤島クラウチ・エンドのローカル・パブでも)だった。


で、あの騒ぎの後「実は我々も違法ダウンロード自体には反対だ」
とのUターン声明(リリーが勝った、万歳!)を、
FAC(レディオヘッドやピンク・フロイドのメンバーetcが所属する英ミュージシャンの利害を代表する団体)が公式に発表。

今週末、ロンドン某所で行なわれたFAC会議では、

「政府の法案に100%賛成ではないが、
違法ダウンロード常習者にはプロバイダーが2回警告メッセージを送り、それでもやめない常習者にはDLスピードを使えないほど遅くする手段をとる(メールやその他のネット接続は切らないまま。はぁ?)」、

との結論に達し、声明書を作成&FACメンバー達が署名。
この案を政府側に提出するつもりらしい。


うーん、、、なんか中途半端な結論というか。

重度の常習者が、こんな生ぬるい罰則で違法行為をやめるとはとても思えないんですが。

このまま合法音源の売り上げが低下して業界自体に金がなくなると、
一番被害を蒙るのは多分、作品制作費も知名度もない新世代ミュージシャン。

デモ録音ひとつにしても高いスタジオ代がかかるわけだし、
皆が皆、宅録システムが合うアーティストばかりじゃない。

更に言えば、誰もがライヴやツアーをして食いつなげるわけでもない。
(注:ミュージシャン側はライヴ/ツアーを打つのにも、プロモーター側に支払う会場レンタル費や楽器運送費、人件費etcの金がかかる=そんな金がない無名新人はライヴ活動で生活費を稼ぐこともできない)。

これは今後のUKシーン自体を左右する大問題なので、
今一度じっくり再考&慎重な打開策を検討してほしいところ。
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