TAMTAMはいいバンドだなあと実感したワンマン


東京での初ワンマン。
まずはそれに素直におめでとう、と言いたい。

ダブで戦うという姿勢にまず惹かれ、この1年このバンドを追いかけてきた。
その強いアイデンティティに加え、彼らにはいわゆるキャッチーな、突破力と浸透力のあるメロディセンスがそもそもインプットされていた。
その懐の深さと高性能っぷりが素晴らしいと思ったし、作品を聴けば聴くほどに好きになった。

だから、彼らのライヴというのはそのハイブリッドな表現の到達度を確認しに行くような、実験の行方を知らされに行くようなある種の緊張感が、僕にとっては、いつもあった。
彼ら自身の空気にもどこか、その高いポテンシャルを持て余しているような、無数に広がる音楽的な選択肢を前に立ちすくんでいるような、内に向かうベクトルがあったように思う。

ただ、今日のライヴはこれまでと違った。
爆音とノイズを完璧に乗りこなし、メロディのドラマ性をエモーショナルに表現できていた。
飲み込まれるような感覚があった。
あえて言うなら、彼ら自身がこの1年の連戦を経て磨いてきた体力と知性がTAMTAMの(そもそもインプットされていた)「コンセプト」を完璧に超えたのだと思う。

あらためて思うが、TAMTAMがやろうとしていること、そして今やっていることは無二のものだ。

新曲もとてもよかった。
追いかけてきてよかった。

お疲れさま!
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