マンチェスターに現れた超大型新人Wu Lyfとは何者か

というか、そう呼んでいいものか、確信はまったくない。この手の惹き句には、大抵実は大手レーベルの後押し的なものが背景にあったりするものだけど、どうもそういうものも見えてこない。あるのは、せいぜい先日発表されたNMEの2010年新人ベストで3位に選ばれているくらい(8月17日の当ブログより。http://ro69.jp/blog/miyazaki/39238)。そのランキングでは、1位がBest Coastで、2位がThe Drumsなのだから、無名の「新人」という意味では実質1位みたいなものだろう(ちなみに4位はSleigh Bellsで、5位はThe Smith Westerns、6位にMarina & The Diamonds、7位Darwin Deez、8位Magnetic Man、9位Yuck ←出身地がニュー・ジャージー、ロンドン、広島と紹介したのがこのバンド。90年代インディーでおススメ。10位はGrouplove。だから、イギリス産バンドとしても、1位ということになる)。アーティスト自身がマーケティングをもとにバンド自体のコンセプトを後付でフィクスしてからデビューするようなケースが生まれてから、もうどれくらい経つだろう。時代の風を感じてサウンド・スタイルを決めたり、逆にニッチを狙って戦略を立てたり。もちろん、そうした方向性付けもまた、立派なアート行為だし、受け手主体の音楽であるロック・ミュージックにおいて即効的でもある。そもそもすべてのアートは、どこかしらそういう部分を持つものだ。しかし、やっている当の本人たちからして、これが一体何を意味しているのか、今後何を意味していくのか、ほとんど訳もわからないまま放出されるロックというものも存在する。ロックは、そうした行為にもっとも寛容なアート・フォームだったりもする。しかし、その一方で、残酷なことに、それらのほとんどは素晴らしいとは言えなかったりもする。本人にすらわからないものが他人にわかってもらえるということには、気の遠くなるような飛躍がある。しかし、奇跡的な一部の例外として、その「本人たちにも訳のわからないもの」が、いきなり「受け手にとって強烈な何かとして屹立してしまうこと」がある。もちろん、受け手にしたって、それが何であるかはわからない。わからないのだけど、それがいまここになくてはならない必然として理解されるということがある。それは、マーケティングされた「何々風」といった形容詞からは百万光年隔たった、すなわち「いまだ名づけられていない何か」だ。このWu Lyfには、そういうものを感じる。まずは、彼らのサイトにいって、いきなり映し出されるクリップと、そこに流れる形容不能の音を体験してほしい。http://wulyf.org/
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