アメリカはなぜこのような音を欲するか

アメリカはなぜこのような音を欲するか

ポートランドのエクスペリメンタル・ユニット、AUのセカンド。
とにかく、冒頭の大コーラス隊による祝祭音からの流れが素晴らしい。

オバマへの熱狂は、アメリカに「ひと」を感じるチャンスが
失われたことの反動のように思う。
経済はいうにおよばず、
社会から「ひと」の成したものと「ひと」に出会うことの機会は
剥奪され、彼ら(もちろん、わたしたちもだろう)は
新たな疎外のフェーズに捨て置かれている。
ブレイクスルーを象徴するオバマへの祈りにも似た期待は、
われわれは次の時代を切り開けるのだという確信を担保するための
「投票」となって行動された。

そして、アメリカの次世代によって鳴らされている音楽がことごとく、
「ひと」の手触りを奪還するための抵抗運動のように聞こえてくるのは、
もちろん、そのことと無関係ではないと思う。

このアルバムにも、もうおびただしいまでの「ひと」が
ぎゅうぎゅうに存在している。
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