ニール・ヤング、ジャック・ホワイトなども参加。アメリカ先住民の水を守るプロテストが稀な勝利で祝福


ノース・ダコタ州のアメリカ先住民スタンダィングロック・スー族が、今年の4月から雪が降り始めた最近にいたるまで、石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を反対するプロテストを行っていた。理由は、彼らの水資源がおかされる可能性が大だからだが、地球環境保護の観点から言っても、石油パイプラインには反対の声が高い。

ニール・ヤングやジャック・ホワイト、チャンス・ザ・ラッパー、ライアン・アダムス、キャットパワーなどのミュージシャンから、俳優では、レオナルド・ディカプリオやマーク・ラファロなどがプロテストを支援。とりわけ、シャイリーン・ウッドリーは、実際に現場に行って現状を伝えたり、プロテストに参加したりしていた。

ニール・ヤングが発表したビデオ。

ジャック・ホワイトが発売していたTシャツ。

草の根運動的に抗議活動は広まり、2000人にも及ぶ復員軍人などもプロテストに参加し、人間の盾を作っていた。そして、とうとう12月4日に、アメリカ陸軍省はスタンディングロック・スー族が反対するオアへ湖の地下にはパイプラインを通過しないことを発表した。

これを受けて、次々に祝福のツイートが。マイケル・ムーアも、「スタンディングロックの素晴らしい勝利! 政府がアメリカ先住民に負けたことなどあっただろうか? 未来へのインスピレーションとなるだろう」

チャンス・ザ・ラッパーも、「スタンディングロックを守り抜いた人達はヒーローだ」とツイートしている。

ファレルも、「人が団結すれば物事は良い方向に変えられる確固たる証拠だ」

ケイティ・ペリーも、「私達の声には本当に意味があるという証拠」

ニール・ヤングも「おめでとう」とツイートしていた。

ここ最近トランプの勝利で落ち込んでいた人達がとりわけ一気に盛り上がっていた。

しかし、今日NYタイムズを読んでいたら非常に嫌なことが書いてあった。トランプはこのパイプラインを作っている会社の株を持っていて、先週、パイプラインは計画通り作るべきだと発言していたという。またトランプが大統領になった後、オバマ政権の決断を覆すことは可能だという。なので、パイプラインの建設会社はトランプが大統領になるのを待っていると語っているのだ。
http://www.nytimes.com/2016/12/04/us/federal-officials-to-explore-different-route-for-dakota-pipeline.html?ref=todayspaper

さらに、ニール・ヤングもフェイスブックにポスト。
建設会社は、オバマ政権の決定を無視してそのままパイプラインを掘ると言っているのだという。そこで、ニール・ヤングがオバマに「立ち上がって断固阻止するか?」、「または、政府が企業に負けるのか?」と問いかけているのだ。

とりあえず、スタンディングロック・スー族の「水の保護者達」は、プロテストで年越しをしないで済むことにはなりそうだ。今の時期にとりわけ良いニュースではあるが、年明けに何が起きるのか分からないので心配だ。さらに地球環境を破壊するという問題も解決していない。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事