エミネムが新MV“Temporary”を発表した。
この曲はもともと娘さんのヘイリーに捧げられた曲だが、
MVも見てもらえば分かるけど、
感動的すぎて涙流さずにいられない内容になっている。
ヘイリーは、小さい頃から、
エミネムの曲に登場していたので、知ってる人も多いはずだ。
ただ大きくなるにつれて、一緒に公に顔を出すことはなくなり、
2022年にエミネムがロック殿堂入りした際の式典で、
娘さんも出席した時は話題となった。
しかしこの曲のMVでは、ヘイリーの結婚式の映像が公開されている。
エミネムが娘さんとバージンロードを歩くところや、一緒にダンスするところ、
娘さんからカードをもらって涙ぐむところなどまで見られるのだ。
しかも、子供の頃から彼女がここまで成長する姿も見られる
貴重な内容になっていて本当に泣けてしまう。
曲で使われていた彼女の言葉も、そのまま映像で見られるようになっている。
歌詞の多くがリアルな体験から来ているのも分かるのだ。
そして何より感動するのが、なんとエミネムも驚いているけど、
最後に、娘さんがエミネムに「グランパ」と書かれ背番号1が付いた
デトロイト・ライオンズのジャージーと超音波写真を渡しているところ。
つまり娘さんが妊娠して、エミネムがおじいちゃんになるのだ。
なんというハッピーエンドなんだろうか。
このMVからはいかにエミネムと娘が仲が良かったのかもよく分かる。
しかし、だからこそ、曲の歌詞の内容にさらに涙してしまうのだ。
ご存知の通り、
エミネムが死んだ後に娘さんに聴いてもらうつもりで書かれた曲だから。
始まりはこう。
「みんなに死ぬのが怖いか、とよく聞かれる。
だけど真実はと言えば、俺が一番怖いことは
俺が逝ってしまったら
お前に言っておきたかったこと全てを言えなくなってしまうこと
だからこの曲はヘイリーに捧げる
その時が来た時のために」
そしてスカイラー・グレイが
「心が壊れても 永遠に壊れたままじゃない
いつかそれは元に戻る涙は一時的(Temporary)だから」
と歌うのだ。
この曲の中でエミネム自身が
「これは今まで一番書くのが辛かったこと」とまでラップしているけど、
自分がいなくなっても、いつでもそばにいるから、がんばれという内容。
エミネムが喉を詰まらせていると思える箇所もあるくらいだ。
エミネムは、ロックの殿堂入りのスピーチの中で自分でも言っているけど、
2007年に、オーバードーズをして死にかけた。
それについては、“Somebody Save Me”の方でも触れられている。
自分が死んだ想定になっていて、「自分は父親の資格もない」
「バージンロードを一緒に歩けなくてごめん」とラップしているから。
今回、娘さんの子供の頃から結婚式までの映像を公開できたのも、
自分は死ななかったし、娘さんが立派に育って、結婚までしたので、
父親としてホッとしたからかもしれない。
また娘さんの方も結婚する前から顔を出してポッドキャストなどを始めている。
それで私もそのポッドキャスとを時々聞いているのだけど、
お父さんのことは基本的には話さないが、さすがに新作については語っていた。
まず“Somebody Save Me”のMVについては、
「1度全部見たけど、もう1度は絶対に見れないと思う」と語っている。
「もちろん泣いてしまったし。
その曲と“Temporary”は聞いた瞬間にボロ泣きしてしまった。
2曲ともだけど特に“Temporary”は。
だけど、MVを見て、曲を聞いた時に思ったのは、
子供の頃、両親は私にはこんな大変が起きていると
全く分からないように守ってくれていたということ。
だから、今大人になって、それを想像してみると、ものすごく怖くなる。
だから泣きそうになってしまうのだけど。
それは(エミネムがオーバードーズで死ぬこと)起こりうることだったと思うと。
もちろんそれが曲のテーマなわけだけど。
だから言っておきたいのは、中毒などで愛する人を亡くしたりした人がいたら、
みんなの気持ちは私も分かります、ということ。
でも素晴らしいビデオだから。私たちが子供の頃の映像を見るのは楽しいし。
“Mockingbird”ですらね。
でもその曲も大人になるにつれ泣かないでは見らなくなったし。聞けなくなった。
ああいう内容じゃなければ、子供の頃の映像を見るのは楽しいのに(笑)。
私は十分泣いたから、もう泣かないと決めているんだけどね」
エミネムは、この曲の中で、ヘイリーに自分が死んだら、
「アライナ、スティービー、ネイトおじさん(エミネムの弟)のことよろしく頼むぞ」
と言っているけど、実の娘であるヘイリーの他に2人を養子に迎えて育て、
アライナも、ヘイリーの前に結婚している。
本当に良いお父さんだなと思う。
エミネム自身は父親がいなくて育ったことを思うと本当に尊敬しかない。
ビデオの最後に、
ヘイリーが子供の頃にエミネムに贈った父の日のカードが紹介されている。
「どんなに大きくなっても私の心はいつでも小さい女の子のままで
お父さんのこと大好きだし、お父さんこと必要としているよ」
とカードに印刷されていて手書きでこう書かれている。
「お父さんへ
このカードは数年前に買ったんだけど
そのまま持っていて今あげるのが一番良いかなと思った。
いつも私たちのために何でもしてくれてありがとう。
いつでも私たち娘のためにここにいてくれてありがとう。
お父さんは、本当に世界一のお父さんだよ。
永遠に大好き。100万ドル永遠に。いつでも。
♡ビーンより」
ビーンは、曲の歌詞の中でも出てくるけど、
エミネムが娘さんを子供の頃にそう呼んでいたんだと思う。
「ビーンへ、痛みが消えるようにと祈ってるよ」と。
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