現在ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの破局で大騒動のハリウッドですが、今日午前中の大ニュースは、今年の超期待作2本、『ダークナイト・ライジング』と『The Master』の最新予告編が公開されたこと。
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まずクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』の予告編はこれが決定版というくらい長くて見応えもたっぷり。
普通アメコミのアクション映画と言ったらとにかく派手な映像とバンバンと音を鳴らして煽るものだが、『ダークナイト』は最初に公開された予告編から一貫して静粛のほうが怖いのである。音が消えた瞬間にとてつもない不安と緊迫が訪れる。Hans Zimmerによるサントラも最高。彼はトレント・レズナーをすごく誉めていたけど、一瞬トレントの影響がうかがえる箇所があったりもするのだ?!
もちろん監督ノーランの才能なわけだけど、天才達が集結してここまで上りつめたという正に映画の醍醐味がここで味わえる内容。ノーランは元々予告編を作るのが上手いけど、でもここからどうしたって最悪な作品になりようがないだろう……と思う。しかも、これまでもそうだったように、こんなにすごい予告編を作りながらそれを一瞬で乗り越える素晴らしい作品が完成している、ともう言い切りたいところだ。今年こそアカデミー賞あげろよ、と言いたい。
バットマンがここで言う台詞「俺は怖いんじゃない。怒っているんだ」である。カッコ良すぎる!
http://www.youtube.com/watch?v=3SOz4T5QWCI&feature=player_embedded
さてもう1本は、ポール・トーマス・アンダーソンの『The Master』。こちらは、キャラ紹介編という作りになっていて、1本目ではホアキン・フェニックスの演じる役に焦点が当てられていたが、今度は、カルト宗教の創設者である、フィリップ・シーモア・ホフマンの演じる役The Masterの紹介になっている。
ホフマンがフェニックスを彼の部下にしようとしているところで、「君はどこかで見たことがあるような気がする」と言うのだが、「その絶望的に好奇心の強いところが昔の僕に似ているんだ」と言うのだ。
この予告編が『ダークナイト』と似ているところは、これもまた会話によって、不気味な緊迫感を煽るところで、強烈なふたりの演技と、さらにジョニー・グリーンウッドの超ミニマルなサントラの共演によってそのすべてが完璧に積み重ねられていく。
ただ、この予告編で唯一心配なのは、エイミー・アダムスの演技力……。でも、きっと緊迫感だらけだと、観客が息する暇がないので、アダムスのような人が必要なのだと思う。
とにかくこの2本。隅から隅まで天才達が対決し、凄まじい作品を完成させてしまったような、そんな予感のする予告編だ!