ジョニー・サンダースを探して…映画『Looking for Johnny』を観た!

ジョニー・サンダースを探して…映画『Looking for Johnny』を観た!
ボブ・ディランから「“ユー・キャント・プット・ユア・アームズ・アラウンド・メモリー”を書いた男になりたかった」という最高の賛辞を送られたジョニー・サンダース。先週4月23日は、彼の24回目の命日だった。週末公開されたばかりの、待ちに待ったドキュメンタリー映画『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』を観た。

日曜日の朝10:20というのに、結構席が埋まっていた。映画館のフロアには、彼が愛用していたギブソン・レスポール・ジュニアが飾ってあった。
ジョニー・サンダースを探して…映画『Looking for Johnny』を観た!
スクリーンに顔のどアップが映し出されただけで、うわああああ…と興奮するのは、私にとってのギター・ヒーローだから、というだけではないと思う。パリ時代にはガールフレンドと一緒に映画に出演したこともある彼は、本当にフォトジェニックだ。
85年のソロ初来日公演を観たのは、京都ビッグバンという今はなきライヴハウスで、実際、確かに、目の前にジョニー・サンダースはいるのだけど、あまりにもはかなげで夢のようだった。映画でも、いかに掴みどころのない男だったかが映しだされている。その掴みどころのない男を、シルヴェイン・シルヴェインやボブ・グルーエン(カメラマン)、レニー・ケイ、サム・ヤッファ、元メンバーやその元カノ、スタッフなどなど多くの証言によってひもといてゆく様子が面白い。

(以下ネタバレあり。これから観る方はご注意を↓ )
子供時代はリトルリーグのヒーローだったとか、小学校の時はオシャレで彼のファッションをみんな真似したといった微笑ましいエピソードから、イギー・ポップが彼にドラッグを教えたのではないか、とか、当時のスタッフはコカインを経費で落としていた、とか、シド・ヴィシャスとの共演といった裏話、そして死にまつわるいくつかの真実など、様々な話題が次々と飛び出す。
初めての娘を持った時、「俺を絶対に捨てない女が出来た」と喜んでいた話にじわりと来た。『ハート・ミー』の弾き語り“ロンリー・プラネット・ボーイ”が好きな人なら絶対にわかるはずだ。

いいところもダメなところもひっくるめてジョニー・サンダースの魅力だということはファンならもちろん知っているが、そうじゃない人に、彼のソングライティングの才能やユニークなギター・プレイを伝えようという試みはとても嬉しい。

それにしても、探そうとすればするほど見つからない、やっぱり野良猫のような人だな、と映画を観て改めて思った。だからこそ、もう一度観たくなる。そして、どれほどどうしようもない話を聞いても、やっぱりジョニー・サンダースが好きだ。という思いは強まるばかりなのだ。(井上貴子)
rockin'on 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする