ステレオラブの再始動がいよいよ本格化する。90年代のUKにおいて独自のポジションに立ち、ポストロックの先駆者とも言われた彼らは語義通り「オルタナティブ」なバンドとしていまや伝説的な存在となっているが、2019年の再集結とライブ再開に続き、じつに15年ぶりの新作『インスタント・ホログラムズ・オン・メタル・フィルム』をリリースした。
聴けば、90年代への感傷的なノスタルジーでも単純なリバイバルでもなく、ごく真っ当な意味でステレオラブの歴史の「続き」であることがありありと伝わってくる。紛れもなく、「いま」に向けた音になっているのだ。
ロッキング・オン7月号では、そんな彼らの新作の意義について論考テキストで迫った。なぜ15年ぶりの作品が、いまなお鋭い同時代性を持ちえているのか。アバンとポップの間にあるスリリングな領域を、いまこそステレオラブとともに探求したい。(木津毅)
ステレオラブの記事が掲載されるロッキング・オン7月号