UKの最注目インディバンド:イングリッシュ・ティーチャーをWWWXで観た!
毎年、英国の最も優れたアルバムに対して贈られるマーキュリー賞を受賞し、破竹の勢いでその存在感を全世界に示すイングリッシュ・ティーチャー。そのステージは想像を遥かに超える出来事であった。
リアリズムに満ちた詩世界、ジャンルに囚われない音楽性を体現する姿勢。4人の魅力はいくつも思い浮かぶが、昨晩のライブで最も印象深かったのはリリー・フォンティーヌのヴォーカリストしての圧倒的な表現力であった。彼女の静と動を異なるアプローチでエモーショナルに歌い上げる姿には息を呑むような迫力があり、WWWXの観客を一瞬たりとも離さなかった。
もう一つ感銘を受けたのが、今回の来日公演の編成であった。4人組のバンド体制に加えツアーメンバーとしてチェロを加えた、普段とは一味違う形でパフォーマンスとなったのだが、その変化が前半の“Alvatross”、“A55”といったスローな楽曲により深みを与え、イングリッシュ・ティーチャーの持つ内省的な魅力を演奏の中で存分に発揮させ、バンドの真価を世界に伝えるチャンスを見事にモノにしていた。
そんな昨晩のハイライトは、“The World's Biggest Paving Slab”から“Nearly Daffodils”、“R&B”と続いた怒涛の展開であった。前半の静寂に満ちた姿からは一転し、激しいポストパンク精神を爆発させた熱狂的なパフォーマンスは圧巻であった。
凛々しくてチャーミングな若手の実力派。次の来日がいつになるのかは分かりませんが、次回も見逃せない一夜になることは間違いありません!(北川裕也)