メジャー契約直後の93年2月にレコーディングされたものだ。
10曲中8曲が弾き語りのカバーである。
ボブ・ディラン、スライ、スミス、ツェッペリンといった彼が尊敬するアーティストの曲のカバーだ。
どれも弾き語りでカバーするには手強い相手ばかりだ。しかし彼は圧倒的な歌唱力と表現力でオリジナルと闘ったみせる。
そして驚いたことに勝ってしまうのだ。
そんなわけないだろう、ディランやスライの曲をディランやスライ以上に歌えるわけがないと誰もが思うはずだ。
モリッシー、プラントにしてもおなじだ。
しかし彼はやってのけている。
今日はずっとこのアルバムを聞いていた。彼の作品を聞くと、誰もがどうしようもない感情の波に呑み込まれてしまうが、この作品もオリジナルと同じ力を持って僕たちを呑み込んでいく。
今週のワールド・ロック・ナウでしっかり紹介したい。