12月13日に配信された楽曲のタイトルは“50%”。同日に公開された話題の映画『はたらく細胞』の主題歌である。これまでも新曲が出るたびにそこに注がれた音楽的アイデアでリスナーを驚かせてきたヒゲダンだが、これまた強烈なインパクトを持つ曲が誕生してしまった。何せ、藤原聡(Vo・Pf)がラップしているのである。彼らの音楽のバックボーンにブラックミュージックがあるのはもちろん百も承知だが、とはいえこの方向性でくるとは一本取られた。だが「参りました」と頭を垂れながら、僕は同時にこの曲が放つメッセージに深く感動してもいた。この、ある意味では「実験的」ともいえるスタイルは今ヒゲダンが伝えるべきテーマを最大限伝え切るために絶対に必要なものだった──一切のバイアスなしに耳に飛び込んでくる藤原の言葉を受け止めながら、そんな手応えが沸々と湧いてきたのだ。(以下、本誌記事に続く)
文=小川智宏
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より抜粋)
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