「Official髭男dism Arena Tour 2024 -Rejoice-」を11月20日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで終え、間髪入れずソウルと台北でのアジアツアーも敢行したOfficial髭男dism。『Rejoice』ツアーがどんな様子だったかは先月号のレポートで詳しくお届けしたが、ついに実現した観客の声出しありのアリーナツアーは、我慢が続いたこの数年のあいだに、ヒゲダンの音楽がいかに僕たちにとって大きな存在になっていたかをはっきりと伝えるものになった。“Stand By You”の大合唱、すごかったな……といまだ余韻が抜けないのだが、そんな最中にも彼らは確実に前へと進んでいる。10月にリリースされた“Same Blue”に続いての新曲が早くもリリースされたのだ。
12月13日に配信された楽曲のタイトルは“50%”。同日に公開された話題の映画『はたらく細胞』の主題歌である。これまでも新曲が出るたびにそこに注がれた音楽的アイデアでリスナーを驚かせてきたヒゲダンだが、これまた強烈なインパクトを持つ曲が誕生してしまった。何せ、藤原聡(Vo・Pf)がラップしているのである。彼らの音楽のバックボーンにブラックミュージックがあるのはもちろん百も承知だが、とはいえこの方向性でくるとは一本取られた。だが「参りました」と頭を垂れながら、僕は同時にこの曲が放つメッセージに深く感動してもいた。この、ある意味では「実験的」ともいえるスタイルは今ヒゲダンが伝えるべきテーマを最大限伝え切るために絶対に必要なものだった──一切のバイアスなしに耳に飛び込んでくる藤原の言葉を受け止めながら、そんな手応えが沸々と湧いてきたのだ。(以下、本誌記事に続く)
文=小川智宏
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』2月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。
【JAPAN最新号】Official髭男dism、新たなる挑戦──躍動するリズムに乗せて「“50%”の決意」を歌う新曲に超ロングレビューと独占オフショットで迫る!
2024.12.27 12:00