でもフォーク&カントリーの弾き語りもハードなロックもピアノ曲も取り混ぜてバリエーション豊かに観せてくれた。
演出やストーリー性を重視したステージだが、押し付けがましさが一切なくて、誠実で品があった。
マドンナやガガのように、斬新なオリジナル・アイデアのインパクトで時代を切り開いていくタイプとは違って、
あくまでも時代が求めている最新の感覚をリアルタイムで更新しながらみんなとともにいるタイプの人だ。
だから衣装も音楽性もMCも過剰にならずにすっと受け入れやすい。
要するに何をやっても常に「可愛い」。
みんなに等しく情報が共有されていることが幸福の証であるSNSの時代には
「保守的でもないし、過激でもなく、きちんと承認された最新バージョンに更新されている」
という彼女のようなやり方が正解である。
1Dの時もそうだったが、メインのステージよりも花道で歌う時間の方が多いぐらいだった。
CDやレコードが音楽業界のメインだった頃は、その曲を正面のステージから再現するだけでお客さんは満足したが、
今はライブであることを最大限にアピールするこういうやり方に変わってきている。
いろんな意味で彼女はやはり今の時代のポップのあり方そのものだった。