plentyのツアー2日目で見た、江沼の笑顔の意味

plentyのツアー2日目で見た、江沼の笑顔の意味
生きることを歌ったアルバムだからタイトルは『life』で、
生きることを歌ったアルバムだからサウンドは無邪気で不定形で、
生きることを歌ったアルバムだから、歌詞には答えなどなく、でも嘘もない。
そして、そんなアルバムを引っさげてのツアーだから、無邪気で不定形で答えはなくて嘘もなかった。

plentyのライブはここ数年どんどん「ライブ」になってきていて、今回のツアーはその到達点だ。
一太のドラミングは完全にplentyの旧スタイルをぶっ壊して再構築して、さらに今日はcinema staffの辻のギターが加わって、
形のないエネルギーとグルーヴの塊のような音楽が会場を満たしていた。

初期のplentyの音楽は、手段だった。
僕らの抱える問題に気付かせ、理解させ、そこから脱け出す衝動と勇気を生み出すための手段だった。
ある時のインタビューで江沼はそうはっきりと言っている。
江沼は答えを歌っていたのだ。
でも今は違う。
答えのない「生きること」のリアルを、形のない音楽のリアルでなんとか表現しようと格闘している。
でもその顔は笑っている。
それは楽しいことだからだ。
生きることと同じ意味で、苦しいけど楽しいのだ。
plentyのアルバム『life』と、今回のツアーは、そういうものだと思う。
あれだけ楽しそうにギターを弾いていた辻がふと
「すごい緊張感だね」
と言ったのが印象に残った。
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on