その後も最新アルバム『カラーズ』からも過去曲からもアッパーな曲がほとんどで、バラードは無し。
メンバー紹介での、おなじみのカヴァーはシック、ローリング・ストーンズ、ニューオーダー、トーキングヘッズ。
潔すぎるぐらいの、100%パーティー・モードの大エンタテインメントショーだった。
ソングライティングにおいては精神の深みに潜り、普遍性を掴み、スタンダードと呼べるレベルのメロディーを作れることを『シー・チェンジズ』『モーニング・フェイズ』で証明したベック。
だからこそ今はその対極に振り切ってエンタテインメントとしての「ベック」をバージョンアップ、スケールアップさせている、そういう時期なのだろう。
ベックといえばオルタナの代表だが、もはやアメリカの王道アーティストとしての堂々とした道を歩み始めているのを感じた。
今年のサマーソニックも本当に楽しくて充実していた。
新しい音楽のヴィジョン、時代の感情、コミュニケーションの新たな可能性、いろんなものを見せてもらった。