パティ スミスの自伝的映画、「ドリーム・オブ・ライフ」を観た。
洋楽ロックの評論家としての僕の最大のアキレス腱は、実はブルース・スプリングスティーンとパティ・スミスで、どうしてもしっくりこない。
この映画を観たらしっくりくるかも、という下心もあったのだが、やっぱり彼女に対する距離感は変わらなかった。
ギンズバーグ、ディラン、ポロック、アルチュール・ランボーなどに対する彼女の思いが描かれているが、
彼女自身の天然のアーティスト性がどこにあるのかが、やっぱり掴めない。
憧れに憧れる文学少女としての彼女しか、やっぱり僕には見えなかった。
文学少女が、命のために闘う闘士になるまでの間にある文学的絶望の瞬間が、この映画でも見えなかった。