ストリングスを含めたすべてアコースティック楽器の編成で、椎名林檎はひたすら全霊を歌に込めるかのように全23曲を歌った。
15周年で、オーチャードホールで、党大会と題されて、アコースティックの編成で、果たしてどういうライブになるのだろうと始まる前は構えていたが、こんなにも椎名林檎の裸の声と肉体性が直に濃密に伝わり感じられるライブになるとは驚きだった。本編ラスト「茎」での、歌によって全てが浄化されるような瞬間はこの日のまさにクライマックスだった。
この「党大会」は、ソロ椎名林檎として本格的なスタートを切る前のファンとの素顔の確認だったのか、それともこの裸の「歌」の深さとエロティシズムがこれからの方向性なのか、それはまだこの時点ではわからない。
素晴らしい夜だった。