2014年頭に『わお、ダイビング』というフルアルバムをリリースしているのだが、本作は前作に収められていた3曲もニューミックスで収録した全8曲のアルバム。プリミティヴな毒性と甘美な陶酔感を同時にもたらすガレージサイケ・サウンドといい、2ピースという少編成を逆手に取ってメロディと言葉の節回しや「間」でグルーヴを練り上げるスタイルといい、チャーミングではあるが、その実やたらロック偏差値の高いバンドである。
《昼間に飛び込んで/黒い霧島/向かい出したいのになあ/あるいは…》(“dead!!”)といった歌詞は、字面だけなら言葉遊びに見えてしまうかもしれない。しかしドミコのサウンドに乗せられると、これがどうしようもなくセンチメントを掻き立てる歌になってしまうのである。懐古趣味的なロックではなく、最後のタイトル曲に向けて先鋭的な響きを残してゆくのもいい。(小池宏和)