イジメを打ち破った傑作

ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『ローデッド【45th アニヴァーサリー・エディション】』
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ALBUM
ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド ローデッド【45th アニヴァーサリー・エディション】
どれもリアルタイムでは似たりよったりの粗末な扱いだったヴェルヴェット・アンダーグラウンドの名作たちだが、中でもこの4枚目のアルバムほどひどいのはない。マネージャーの差し金で勝手にミックスは変えられる、ソングライター・クレジットもいい加減ならルー・リードの名前はダグ・ユール、スターリング・モリソンの次という露骨なまでの嫌がらせがジャケットで繰り広げられた。しかし、ここに残されているのはソングライターとしてのルーが、45年後の今でも大きな影響を与え続けることの予言であり、そのアレンジやアプローチがいかに洗練されていたかを示すものばかりだ。

“スウィート・ジェーン”、“ロックン・ロール”といったルーの代名詞的ナンバーはもちろん、ダグに歌わせた“ニュー・エイジ”の美しさなどは改めて評価されるべき。1997年にも2枚組の〈Fully Loaded Edition〉でリマスターされたが、今回はさらにシャープさを増し、本来ルーたちが思い描いた音を感じさせる。海外ではライヴなどを合わせた6枚組ヴァージョンも出ているが、既出も多いのでマニア以外はこれで充分。まずは聴いて欲しい。(大鷹俊一)
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