闘争権のために結束せよ

プロフェッツ・オブ・レイジ『ザ・パーティーズ・オーヴァーEP』
発売中
EP
プロフェッツ・オブ・レイジ ザ・パーティーズ・オーヴァーEP
トム・モレロには周期的にラッパーと組みたくなる時期があるのだろうか。共和党全国大会目掛けて楽曲をドロップし、目下全米ツアー中のプロフェッツ・オブ・レイジ。トムは「スーパー・グループではない」と発言しているものの、もろに影響を受けレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとして楽曲をカヴァーしてきたパブリック・エネミーやサイプレス・ヒル(のB・リアル)とタッグを組むという発想は、意外性よりもそれしかないという手応えが感じられた。政治的な側面は飽くまでもきっかけや燃料にしか過ぎず、「なんか凄いしカッコいいからやる」という無邪気な動機の方が強く浮かび上がってくる。というわけで、まずは聴いて盛り上がればいいのである。グループ名の由来にもなったPE曲カヴァーと新曲“ザ・パーティーズ・オーヴァー”。そしてカヴァーのライヴ音源が3曲のEP。ソリッドなロックのアタック感を誇る新曲は、90年代ラップ・ミクスチャーのまだ手垢が付いていない作法と可能性を思い出させる。“キリング・イン・ザ・ネーム”はさすがにザックの不在感が目立ってしまうが、ビースティーズのカヴァーは最高。チャック・Dの鉄板アジテーションが火を噴く名演だ。(小池宏和)
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