直球も変化球も自在のUK新星

サンダラ・カルマ『ユース・イズ・オンリー・エヴァー・ファン・イン・レトロスペクト』

発売中

サンダラ・カルマ ユース・イズ・オンリー・エヴァー・ファン・イン・レトロスペクト
英レディング出身の4ピース、サンダラ・カルマのデビュー・アルバムの日本盤がようやくリリース。彼らはキャットフィッシュやブロッサムズのブレイクで勢力図が塗り替えられつつあるUKインディ・ロックのネクスト・ブレイクの一角を担う逸材で、メンバー全員二十歳そこそこという若さが漲るストレート・エッジなギターで直球勝負する。それが本作の基本設計で、デビュー作にして既に合唱必至のアンセムを複数生み出している。しかしこのバンドはどこか耽美で、ラッド感覚は希薄なのがユニーク。しかもあっけらかんと耽美であるという、語義矛盾を孕んだヌケの良さに新世代を感じる。そこから真っ先に連想したのが初期のキラーズだったわけだが、キラーズがスミスの屈折したリリシズムを愛でながらも、それをどこまでも開かれたポップスへと翻訳していったように、サンダラにもそんな良い意味での軽やかさがある。一方でマムフォードばりのプリミティブなカントリー・フォークを美しいコーラスと共に聴かせるナンバーや、リバーブを効かせまくったフォーク・サイケもあり、そのとっ散らかり具合もポテンシャルの証左だろう。 (粉川しの)

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