映画『OVER DRIVE』の主題歌として書き下ろされた新曲。弾き語りのシンガロングのオープニングから、全編にわたってドラマチック！4分45秒をビッシリと言葉と音が埋め尽くしており、一瞬も聴き逃せない濃厚さだ。展開も単調ではなく、かと言って踏み込めないほど難解なわけでもなく、彼らにとって最も大切であろう「みんなで歌える」ポップソングであるところには落とし込まれている。そのコーラスワークを筆頭に、3ピースとは思えぬ重厚で彩り豊かなアレンジのスキルも、ますます進化。ライブで演奏するのは大変じゃないのかな？ でも、どうなってもオーディエンスが歌って参加してくれれば名曲になるという安心感が、こういったチャレンジへと向かわせているのかな？など、彼らの現状を踏まえた想像も巡らせてしまった。

これだけドラマティックな楽曲なのに、《雨あがり　ほら　虹が架かっていた》の一言で、フッ！と余韻なく音が止むところも彼らならでは。ここまで延々と悩みや迷いや苦しみを吐露してきたけど……その果てで笑えればOK！という潔さが表れていて、気持ちいい。（高橋美穂）