ひとりでも忘れらんねえよ

忘れらんねえよ『あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた』
発売中
MINI ALBUM
忘れらんねえよ あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた
最高。菅田将暉に提供した“ピンクのアフロにカザールかけて”のセルフカバーを収録しているぶん、「真面目に」良いことを歌うのはその1曲だけで十分とでも言うように、振り切った曲ばかりのミニアルバム。全5曲中3曲が、「いやいや、それ悪いほうに捉えすぎじゃない?」と突っ込みたくなるような被害妄想にまみれた片思いソング。あとは、絶望的なひきこもりの悲哀と「見返してやる」という反逆の意思をコミカルに描いたダンスナンバー“踊れ引きこもり”だ。正直に言うと、わたしは引きこもりじゃないし、たとえば、“君は電話に一切出ない”とか“君は乾杯のとき俺とだけグラスを合わせなかった”のような状況を経験したことはないけれど、なぜだろうか? ああ、わかるなと思ってしまう。心の琴線に触れるグッドメロディ、性急なビート、感情ダダ漏れの柴田隆浩の熱唱に、気づいたら熱い気持ちにさせられてしまうのだ。今年5月に梅津拓也が脱退。忘れは柴田のソロユニットになってしまったが、今作は「これからも明るく、おもろく、元気にやっていくよ」というコメントどおりの1枚。安心した。(秦理絵)
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