一度はリリースの延期を考えたものの、「今この状況だからこそ」というバンドの強い意思から配信リリースされることになった曲。歌詞のメッセージ性や「SMILE」というワードをタイトルに使っていることが決め手だったそう。――という情報を踏まえて思ったのは、そういう言葉は曲に導かれて出てきたのでは？ということ。なぜなら、詞を抜きにしても痛快なほどに楽しい曲だから。

ジャカジャーンというギターやオールドスクールなリフにブラスも重なり、始まりは超ご機嫌。だけどメロはちょっぴり切なくて、特にAメロは技が光っている。4ビートに乗せられ、サビのコーラスもアガるなあ、マジで《IT'S ALRIGHT!》な気がしてくるなあ、なんて思っていたら、ビートが変わり、突然EDMっぽい展開が始まる。その後、さっきまでの曲調にスッと戻ったあと、オケでティンパニが叩くみたいな、やたら荘厳なリズムをみんなで鳴らして締め。初めて聴いた時の感想は「なんだこれ!?」。「やられた～」と膝を打ち、「わっはっは」と大笑いしているうちに4分13秒経ってました。おすすめです。（蜂須賀ちなみ）

『ROCKIN'ON JAPAN』2020年7月号より