04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTES、そしてBLUE ENCOUNT。インディーズ期から切磋琢磨し、メジャーデビューもほぼ同時期にあたる3組の合同ライブイベントが、ツアーという形で4年半ぶりに帰ってきた。しかしコロナ禍によって、その意味合いは当初の予定とは随分異なるものになった。時期的にも開催の決断は難しいものになっていたはずだが、僕が実際に目の当たりにした福岡公演にしても、しっかりと感染対策を打ち出し、スタッフも切に来場者への呼びかけを行っていた。名古屋公演のトリを務めたフォーリミ、大阪トリのオーラル、福岡トリのブルエンと、各日のパフォーマンスを収録したこの映像作品は、ライブ興行がコロナ禍に直面した困難を物語るドキュメンタリーでもある。困難に向き合うそれぞれの思いと、こんな時だからこそ何がなんでも来場者を楽しませてやるという思いが渦巻き、激しく胸を打つ。“swim”“ReI”“灯せ”と、ボーカル3者が揃い踏みになったコラボも熱い。ウィズコロナ時代のライブの在り方にひとつの方向性を示してくれて、どうもありがとう。（小池宏和）

『ROCKIN'ON JAPAN』8月号より