ストーリーに奥行きを与える音

YOASOBI『三原色』
発売中
DIGITAL
YOASOBI 三原色
3人の幼馴染が大人になってから再会し、変わってしまった何かを感じつつも、ともに過ごした日々のかけがえのなさ、年月を重ねても失われることのないものを噛み締める様を描いた小説『RGB』が原作となっている“三原色”。「RGB」とは「光の三原色=赤・緑・青」のことであり、これらを重ね合わせると自然光に近い白色になる――というのは舞台照明の基本なので、知っている人も多いだろう。“三原色”の歌詞も、光のイメージを彷彿とさせる要素をちりばめながら原作小説の世界を浮き彫りにしている。そして、主軸となっているメロディは比較的シンプルだが、多彩なサウンド要素の添加によってドラマチックな展開を遂げ続ける様が美しい。随所で鳴り響くパーカッション、ikuraが初挑戦したラップ、終盤で効果的に加わるコーラスなどによって、抒情的なメロディがラテンミュージック的な躍動感も帯びていく様にワクワクさせられる。「小説を音楽にするユニット」というYOASOBIのコンセプトを具現化するうえでサウンドアレンジが果たしている役割も非常に大きいということを再確認させられる曲だ。(田中大)

公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする