“Take It Easy”という闘い方

SHE’S『Take It Easy』
発売中
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SHE’S Take It Easy
ロックバンドとしての使命感とプライドを全部抱えて、光あふれるポップの新次元へと自ら歩みを進めるような、決然とした歌とサウンドの開放感。「君」への祈りにも似た真摯な想いを《急がないで スローなステップも要るんだ/遅すぎることはない/一つ二つ始めてゆく》という穏やかなラインの包容力へと結晶させた、井上竜馬(Vo・Key)のクリアで揺るぎない詞世界――。結成10周年&メジャーデビュー5周年のアニバーサリーイヤーとなる2021年を“追い風”“Spell On Me”といった新曲で自ら鮮烈に彩ってきたSHE'Sのさらなるピースは、その楽曲に触れる者すべてを軽やかな足取りで前へ先へと踏み出させるための躍動感と、そのアレンジの随所に滲むポップミュージックの歴史への惜しみないリスペクトに満ちている。“Take It Easy”というキーワードは、この困難な時代におけるSHE'Sの闘争宣言である――ということが伝わる名曲だ。

10月には5thアルバム『Amulet』のリリースも決定しているSHE'S。その確かな進化の先に広がる風景が、今から楽しみで仕方がない。(高橋智樹)

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