Gacharic Spin初のセルフプロデュースによるメジャー5thアルバム。ハードエッジな轟音とデスボイスと極上のメロディがせめぎ合う中で《世界は、どうなっていくのか？》と《世界はとても美しい》が交錯する“I wish I”。シーンの荒波の中で闘いながら夢を追い続けるリアルな葛藤を《憧れが夢に 夢が現実に 変わった瞬間を 胸の高鳴りを／忘れられたならどんなに楽だろう》のフレーズとエモーショナルな絶唱に重ねた“何者にもなれなかった僕たちへ”――夢を原動力にして夢を追い、夢を叶えることで新たな夢を求めてきたGacharic Spinの衝動とダイナミズムが、全10曲の隅々に至るまで高純度で凝縮された名盤だ。

激速ハイパーファンクの切れ味が冴える“MindSet”や“ミライ論争”、清冽なイノセンスと強靭なアンサンブルが目映く共鳴する“Dear_____”など、極彩色のサウンドが表情豊かに、かつアグレッシブな爆発力とともに弾け回る今作。ラストを飾るロックバラード“365日”の雄大なスケール感が、セルフタイトルを冠した6人の覚悟と相まって、ひときわ熱く強く胸に迫る。（高橋智樹）

『ROCKIN'ON JAPAN』10月号より