『BE:4U』というアルバムタイトルは、これまでの『BE:1』『2:BE』『BE:ST』と同じように、かなり早い段階でプロデューサーのSKY-HIから提示されていたものだという。しかし、いざ完成した『BE:4U』は、彼が最初に思い描いていた『BE:4U』とはきっと少し違うもの、いや、その想像を遥かに超えるものとなったはずだ。「4U」、つまり「あなたのために」という言葉では収まらない、とても自由で、自然体で、クリエイティブで、楽しい──そんな音楽が、このアルバムには溢れている。ソングライティングにメンバーがクレジットされる曲が増えたのはもちろんのこと、プロデューサー決めや歌割りをどうするかといった部分まで、メンバーの意思のもとに作られていった今作。無論、経験値やスキルという点ではその道のプロフェッショナルには及ばない部分もあるわけで、メンバーが参加したから即最高のものになるかといえば決してそうではないだろう。だが、このアルバムでメンバーが参加した楽曲は、ユニット曲の“Diva”と“#Conbini”にしろ、アルバムのタイトルトラックとも言える“for you”にしろ、あるいは最高のパーティーチューン“Exercise”にしろ、全部とてもいい。なぜいいかというと、彼ら自身が心ごと、身体ごと音楽に飛び込み、頭をフル回転させ、試行錯誤し……というプロセスのすべてを楽しんでいることが、音にも声にもちゃんと乗っかっているからだ。その「彼らが楽しんでいる感じ」は、アルバムを聴く我々にも確実に伝播する。その結果『BE:4U』は、やる側も受け取る側も心底楽しめる、という意味で、BE:FIRST史上最も「ポップ」なアルバムになったと思う。これまでの、彼ら自身の物語の中でひたすら前へ突き進んでいくストーリーとはまた違う軸で、自分たちの音楽に多くの人を巻き込んでいくBE:FIRST。グローバルデビューという形で新たな挑戦のフェーズに突入した今だからこそますます意味を持つ、そんな彼らの姿を記録した、初の表紙巻頭特集。さあ、みんなで『BE:4U』が生み出す音楽の渦に巻き込まれよう。こだわればこだわるほど、できあがったものに愛着が湧く。音楽との向き合い方を教えてくれたアルバム(SOTA)
インタビュー=小川智宏 撮影=岡田貴之
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年12月号より抜粋)





