今年7月に新会社を設立し、新たな道を歩むという決断をしたflumpool。オフィシャルサイトのコメントに「失敗を恐れずに、責任から逃れずに自分たちの手で舵をきるように、慎重でいて大胆に、音楽をつくっていきたいと思っています」と記したことからも、ここから始まる旅の険しさも含めて意欲的に楽しもうとしている決意を感じる。そんな4人の想いをあるがままに刻んだのが、このデジタルシングル『その次に』だ。

まだ見ぬ航路に繰り出した船の帆がはためくような壮大なストリングスと、きらきらと爽やかな風が吹き抜けるようなピアノのイントロ。瑞々しいサウンドに背中を押され、躍動するバンドアンサンブル。活動休止から復帰後、柔軟さを増した山村隆太（Vo）の歌声が、《また次もきっと　その次もきっと　舵を切り直すよ／こじ開けた先が　描いてた地図と　たとえ違っていても／昇る雲も　包む夕日も　見つからなくたって／笑いたいんだ　ah 隣でさ》と宣言する歌詞。誰かのためじゃなく、自分たちのためのピュアな言葉と歌と音でもって、flumpoolの未来を切り拓く1曲だ。（後藤寛子）

『ROCKIN'ON JAPAN』11月号より