通底する中毒性の高いグルーヴ

Ochunism『Leave The Gate Open』
発売中
ALBUM
Ochunism Leave The Gate Open
ボーカル、ギター、ベース、ドラムに、エレクトーンとサンプラーマシンを加えた6人編成のバンド。ポップ、ロック、ファンク、ソウル、ヒップホップと、ジャンルを特定するのは困難だが、もし彼らの音楽性を一言で表せと言われたならば、「グルーヴ」であると言い切りたい。生音もエレクトロサウンドも、バラードもアップテンポのポップスも、強靭な、それも相当に洗練されたグルーヴに裏打ちされている。70年代のファンクサウンドや、80年代のニューウェーブ感など、その「時代」を感じさせるニュアンスを抜群のレシピで織り交ぜながら、モダンなダウンスサウンドとして、また、歌メロの魅力的な普遍のポップミュージックとして鳴らす。このクロスオーバー感を見事にひとつのバンドの個性としてまとめあげるのが、凪渡(Vo)の歌声である。“Leave”の乾いたビートに心地好い湿度を含ませるような叙情的な歌声も、“Ghost Ninja”のファルセットも都会的な心地好さと抜群の中毒性を持つ。押し引き自在のアンサンブルとともに間延びなしの全10曲。素晴らしきミュージックトリップを体感できる。(杉浦美恵)

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