ダンサブルで小気味よいサウンドメイク、エモーショナルな歌声など、通ずるセンスを感じさせる2組。バンドサウンドと電子音が巧妙かつユーモラスに編み込まれ、互いの個性がきれいに混ざり合ったアッパーチューンに仕上がっているが、さらに注視すると水面下で両者の譲れない美学がせめぎ合っている様子が見えてくる。鋭いメッセージ性を卓越した語感でキャッチーに響かせるフレデリックと、流麗な日本語で風景と心情を描く須田。作品のテーマである「僕の正義が、君の正義を殺すとしても――」を踏まえて、お互いを尊重しながらも、ふたつの譲れない「ANSWER（＝正解）」が気高く躍動している。エンターテインメントの枠に収まらない、アーティストとしての矜持が火花のように炸裂する、新感覚のロックナンバーだ。（沖さやこ）
